【第114回】
印刷して配布する文書中の一部の文字列だけを
効果的に強調するには
雑誌に載っているWord講座やWordの解説書などを見ると、「文字列を強調するには、ツールバーの「太字」ボタンをクリックして、「太字」の設定を行う」などと載っています。しかし、実際に文書中の一部の文字列に「太字」の設定をしても、その文書を印刷すると、「太字」の設定をした部分はわずかに太めに印刷されるだけで、ほとんど強調効果が感じられません。
では、印刷して配布する文書で、一部の文字列だけハッキリと強調したい場合にはどうすればよいでしょうか?
いちばん手軽で確実なのは、強調したい文字列だけ、書体を変える方法です。
具体的には、(強調でない)地の文章部分が「MS P明朝」であれば、強調したい文字列だけ「MSPゴシック」にします。すると、この文書を印刷した時にもハッキリと書体を変えた文字列だけ、強調されます。
提出期限を指定した行を選択して、「太字」ボタンをクリックすると、画面上ではきちんと区別できるし
「印刷プレビュー」画面で確認すると、「太字」を設定した行だけ、太めに表示されるが
実際にこの文書を印刷してみると、「太字」の設定した行と設定していない行の違いはごくわずかで、強調効果はほとんど感じられない
強調したい行だけゴシック体の「MS Pゴシック」に変更すると
印刷時にも、ゴシック体は縦横の線の太さが同じで、全体的に明朝体よりも太めに印刷されるため、強調効果が感じられる
もし、文書全体をゴシック体に設定してある場合は、より太めのゴシック体書体を指定するとよい。ここでは、Officeソフトに添付する「HG創英角ゴシックU」フォントを指定した
同じゴシック体でも、「MS Pゴシック」より「HG創英角ゴシックU」の方が太めのため、この箇所だけ強調効果が出る
「太字」の設定をしても印刷時にほとんど効果があらわれないのは、「MS明朝」や「MSゴシック」などの日本語フォントには太字用の字形データが収録されておらず、画面表示や印刷時に少しだけズラして表示・印刷することで太字効果を出しているため、最近の高精度のプリンタではほとんど違いが出ないためです。一方、「Arial」や「TimesNewRoman」などの欧文フォントは太字用の字形データを別に収録しているため、印刷時にもきちんと太字効果が出ます。
ただし、例外があります。それはWindows Vistaに標準添付している「メイリオ」フォントです。
「メイリオ」フォントは日本語フォントとしてはたいへん珍しいことに、別に太字用の字形データを収録しているため、Wordなどで「太字」の設定を行って印刷を実行すると、明らかに太めに印刷されますので、苦労せずに強調効果を得られます。
文書全体が「メイリオ」フォントに設定してある場合、強調したい行だけ「太字」に設定すると
この文書を印刷した時にも、「太字」の設定をした行だけ、ハッキリと区別できる太さで印刷される
「メイリオ」フォントは、ひらがなや漢字などでも太字の設定が効果的という特長を持つ反面、Wordなどで「斜体」の設定をしても効果があらわれないという制約があります。これは、日本語の文書には本来、「斜体」という装飾が存在しないため、同フォントでは「斜体」を無効にしているためです。
なお、「メイリオ」フォントは本来、Windows Vistaに標準添付される日本語フォントですが、ここではWindows XP上で使用した画面図を掲載しています。Windows XPで「メイリオ」フォントを利用する方法については、第111回のB面を参照してください。