CADの種類

CADには2次元CADと3次元CADがありますが、その中でも「専用CAD」と「汎用CAD」に分類されます。専用CADとは、機械向け、建築向けなど特定の業務向けに作図を効率的に行えるCADのことで、汎用CADとは、特に業務を限定しないCADのことです。CADソフトには非常に多くの種類があり、1,000以上あるといわれています。それでは、2次元CAD・3次元CADについてご説明しましょう。

2次元CAD

2次元CADはディスプレイ画面を製図機(ドラフター)に見立てて、平面図面を描くものです。手作業のドラフト作業をそのままディスプレイ上で行うイメージなので、手作業でのドラフトを行っている人でも違和感がないところも特徴の一つです。CADが生まれた頃は、この2次元CADしかなかったこともあり、機能的にも成熟したものが多く、建築・土木・機械以外にも業界を問わず活用されています。


・AutoCAD

米国「Autodesk」社が開発した、世界的に最も標準的なCADソフト。大手の設計事務所やゼネコンを始めとして広く使われています。コマンドなども自分の好きなようにカスタマイズでき、建築・土木・機械と業界を問わず業務にあわせた使い方ができる汎用CADソフトです。2次元の製図、詳細図作成、設計図書の作成とともに、基本的な3次元設計も可能となっており、プレゼンテーション書類の作成などにも活用されています。特徴は、使用者に合わせて設定が出来る強力なカスタマイズ機能や業界標準のデータ形式を持っていることから、異なるCADソフト間でのやり取りがし易くなっています。

・Micro CADAM

古くから存在する汎用CADソフトとして、様々な業界で使われてきましたが、特にNC(Numerical Control:数値制御)工作機械と連動する外部プログラムが充実しているところから、機械系の製造業、電気製造装置設計などに多く使われています。

・JW CAD

市販されているソフトではなく、フリーウェア(無料ソフト)として非常に優秀で定評のあるソフトです。もともとは建築専門雑誌に付録として添付されたことにより建築業界に広く普及し、建築設計事務所や土木建設コンサルタント、都市計画設計などで使われています。現在、利用者が5万人とも10万人ともいわれていますが、少しずつAutoCADへの移行が進んでいます。また、フリーソフトであるため、民間の有料サポート以外のサポートは受けらないというデメリットがあります。



3次元CAD

3次元CADには「ハイエンドCAD」と「ミッドレンジCAD」と大きく2種類に分けられます。「ハイエンドCAD」は高性能で高価格な3次元CADで自動車・航空業界で主に使用されています。「ミッドレンジCAD」は「ハイエンドCAD」より使える機能に制限がありますが、家電・機械系を中心に幅広い分野で使用され、低価格なこともあり多くの企業で採用されています。


【ハイエンドCAD】


・CATIA

フランスのダッソー・システムズで開発され、もともとは航空機の設計用に作られたCADです。現在では、エアロ・スペースの分野以外の民生需要も多く、国内外ともに多くの自動車メーカーでも使用されています。CATIAの特徴は、面の集まりで3次元を表現するソリッドと曲面によって3次元を表現するサーフェスのどちらにも対応している点。CATIA V1 〜V4までは一部を除いて、作りっ放しで履歴編集のできない要素によってデータを校正していましたが、CATIA V5になってから、ほとんどの要素を履歴や理論によって、寸法を拘束しながら結び付け、動的資産としての価値も高いデータも提供できるようになりました。

・NX

CGSPLMソリューションが販売しているハイエンドCADです。I-DEAS(アイディアス)とUNIGRAPHICS(ユニグラフィックス)が統合し、新たに生まれ変わりました。UNIGRAPHICSの特徴であったサーフェスやI-DEASの解析機能を充実させたCADで、金型・自動車産業などで利用されています。

・Pro/ENGINEER

3次元CAD分野のソフトで世界シェアbPを誇るソフトです。Technology社(PTC)が開発し、3次元形状(フィーチャ)を寸法などで拘束しながら作成することができるフィーチャパラメトリックモデリング手法というものを世界で初めて製品化したCADです。主にソリッドCADとして使用され、精密・電機・建築機械分野など幅広く使用されています。


【ミッドレンジCAD】


・SolidWorks

3次元CADで初めてWindowsに完全準拠し、業界屈指の機能と操作性を備えた3次元ソリッドモデラー「Solid Works」。ベーシックな操作性はAutoCADに近く、2次元CADユーザーのステップアップにも積極的に取り組んでおり、確実に3次元CADの敷居を下げています。機械向けながら汎用的な利用が可能で、家電・精密・産業機器・工作機械など国内外の様々な業界で使用されています。ユーザーの囲い込みも、パートナー戦略を重要視してSW社・リセーラー・パートナーの3者で強調しあいながら行っているところが特徴的です。

・Inventor

Autodesk社製品で、AutoCADの2次元から3次元への移行を支援する統合アプリケーションです。AutoCADベースの2次元設計環境を保ちつつ、AutoCADのデータと完全な互換性があり、3次元設計に移行可能となっています。配管および配線設計専用ツールにより、設計モデルに対して配管やハーネスのルートを設定することで完全な3次元設計ができるソフトで、金型、家電製品、電子通信機器、製造装置、冶具など幅広く使用されています。

・Mechanical Desktop

Autodesk者製品で、AutoCAD環境での3次元機械設計に最適な2次元と3次元を融合する3次元ソリッドモデリングソリューションです。2次元、3次元それぞれを設計・製造のプロセスで柔軟に対応でき、金型、家電製品電子通信機器、製造装置、冶具など幅広い分野で使用されています。

・OSD(One Space Designer)

ドイツに本社を置く、コクリエイト・ソフトウェア社が開発した機械系CAD。3次元のモデリングと2次元のドラフティングを含む総称です。電化製品・半導体製造装置などの設計に主に使用されており、3次元CADの多くが採用しているヒストリーやフィーチャーによる間接的なモデル形状ハンドリングだけではなく、ダイナミックモデリングと呼ばれる直接的な操作や下書き線機能、マクロメニューカスタマイズ機能をも兼ね備えた斬新さが特徴となっています。